2017年6月

こまのえき狛江!

  10月の多摩川乗馬会はナナと同じ77回目を迎える。それを記念して、「ナナの家」では「こまのえき、狛江!」構想と取り組んでいく。世田谷区には馬事公苑、府中には競馬場がある。そこをつなぐ枠割を、狛江で20年近く駒の活動をしてきた「ナナの家」が取り組むことには意味がある。そこで、まずは2008年4月号のマンスリーニュース挨拶文から、多摩川乗馬会の歴史を共有していきたいと思う。この10年間で更に環境は充実してきた。既にスロープも障がい者用トイレも作られる。そして5月27日には、狛江市の河川敷にオープンするドッグランを記念して、“多摩川×いきもの×まつり”が開催される。

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■多摩川乗馬会ヒストリー■

多摩川乗馬会のきっかけは、1990年の春、動物好きの娘がムツゴロウ王国の乗馬教室から戻り、弟に乗馬をさせたいと話したことだった。王国にはシシマルという障害者を乗せる馬がいて、マウンテンランプも使わずに足を折って障害者を乗せていたそうだ。弟には障害があり、車椅子でいつもストレスをためていた。
 それからほどない頃、私は社会にまだ認知されていない息子の病気の文献を集め、翻訳してくれる人を探していた。出会った翻訳家グループの、次に依頼された仕事がなんとイギリスの障害者乗馬のテキストだった。娘の関心はますます深まっていった。私はイギリスの大使館や観光局を訪ね、乗馬クラブの冊子をもらってきた。そこにはRDA(Riding for the Disabled Association)のセンターがずらりと並んでいた。イギリスでもアメリカでもドイツでも、世界の先進国では障害者乗馬のシステムはとうに確立していたのだった。娘の祖母がスポンサーになろうと申し出てくれ、とうとう娘はイギリスへ向かった。それは高校一年生が終わる時だった。イギリスでは、車椅子の人も全盲の人も乗馬していたそうだ。乗馬を上手に授業の取り入れている障害児の学校(フォーチュンセンター)もあったそうだ。私はそれらの話に大きな可能性を感じた。しかしその頃、まだ日本では障害者乗馬の情報に出会うことは全くなかった。
 それから5年の間に、娘は大学の馬術部へ。私はイギリスの障害者乗馬の中心のダイアモンドセンター、オーストラリアのアランデルパーク、マッキンタイヤー、ミッチェルセンターなどのRDAセンター、ニュージーランドの障害者乗馬を中心とした養護学校などを、スタッフと見学して回った。
 日本にもその頃、障害者乗馬インストラクターの第一号が誕生したというニュースを知り、早速連絡をとり、息子に乗馬を教えてもらうことになった。一人で乗るよりもみんなで乗った方が楽しいに違いないと、活動に取り入れ、狛江に再び馬が来るようになった。
 「ナナの家」が誕生した1998年から、オーストラリアのミッチェルセンター(代表Kerry Jonston氏)と交流を深め、娘はKerry氏の指導で障害者乗馬インストラクターのライセンスを取得した。まだ日本には数える程しかインストラクターはいなかった。
 この楽しみを交流活動に広げられると考え、多摩川の自然に恵まれた狛江ながらの“多摩川乗馬会”が生まれた。多摩川の自然、温厚な木曽馬、手入れの行き届いたふれあい動物、大勢のボランティアさんに支えられ、「ナナの家」の多摩川乗馬会は昨年40回を迎えた。障害者も安心して楽しめる乗馬会を目指し、昨年は河川敷ならではの、“移動マウンテンランプ”を制作し、バリアフリーに一歩近づいた。
 今年度は春の多摩川乗馬会が中止の分、ボランティア研修を行い、秋の乗馬会に備えたい。河川敷にはスロープが作られる。いずれは障害者用トイレの建設も計画に載っている。
 誰もが多摩川河川敷を活用でき、誰もが楽しめる多摩川乗馬会の更なる充実と、継続へのサポートシステム確立に向けて、今年も邁進していきたいと思う。                                  2008年4月

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